新しくマンガ制作をする予定なんだけど、クラウドソーシングを利用して直接マンガ家さんに依頼した方が安くすむかしら…
マンガ制作会社の中間マージンがなくなるから直接依頼した方が安いですね!
そうよね、ただマンガ家さんなら誰でも広告マンガが描けるのかしら。
広告マンガの制作は普通のマンガ制作とは全然違いますよ!
やっぱり…具体的にどんなところに気を付けて依頼すれば良いですか?
はい、具体的な広告マンガの制作方法や効果の出るポイントを現役広告マンガ家のオオタケイ先生に聞いてみましょう!
こんにちは!マンガ家のオオタケイです!
オオタケイ先生、こんにちは!
広告マンガ制作のポイント解説をお願いいたします!
了解です!広告マンガ制作の極意を伝授します!
シナリオ作成
まずはシナリオ制作からスタートします!
シナリオを作る前に大切なのが、企業のヒアリングシートや構成案と予定ページ数です。
企業が伝えたいことを、予定ページ内にすべて入れる必要があります。
シナリオ作成の手順としては、まず、ヒアリングシートの内容全体を「起承転結」に分けます。
構成案がある場合は、それを元にシナリオの起承転結を作ることができます。
起承転結の内容は広告によって変わってきますが、よくあるパターンだと
「起」…主人公の紹介、現在の立場の説明
「承」…イベントの発生、トラブル、疑問、人との出会い、新しい挑戦など
「転」…企業のアピール内容、発生したイベントを解決するための手段
「結」…解決後の紹介、特定のページへの誘導など
このような流れになります。
「承」と「転」は、マンガ内で何度か繰り返す場合もあります。
そして起承転結で分けた内容を、大まかに予定ページ数で振り分けます。
その際、特に強調したい部分はコマを大きくする等の必要があるため、
若干多めにページを割り振り、それがシナリオの設計図となります。
この作業はエクセルなどを使うと、修正もしやすいです。
なるほど!いきなりシナリオを書くのではなく「起承転結」に分けるのがポイントね!
設計図ができたら、細かい内容を考えていきます。
企業が一番に伝えたいことへ、興味を引きながら導くようなシナリオを作ります。
その際、主人公がどの立ち位置にいるかを決めることが必要です。
どの目線からマンガを進めるのが一番効果的かを考えると、
それに沿ったシナリオを作りやすくなります。
また、シナリオを作ると同時に、キャラクターの人数、細かい設定なども考えます。
年齢、性別、現在の立場など、マンガ内にはほぼ必ず「企業がターゲットとしたい人物」が
出てくる必要があるので、それをシナリオに組み込みます。
キャラクターの設定が決まると、シナリオも作りやすくなります。
そして、キャラクターの細かい設定によって、マンガの舞台となる場所、その他の登場人物なども決まってきます。
これらを組み合わせて作ったシナリオを、更に具体的にページ数で割り振ります。
その際は、各テーマごとに切りのよいページ配分になることを意識します。
台詞回し等も作ってしまいますが、広告マンガは専門用語、専門知識が必要なことも多いです。
企業に関する最低限の知識を頭に入れておくことは勿論ですが、
ヒアリングシートを読み込んだり、
企業の担当者の声をよく聞いておくことも大切かと思います。
また、マンガならではの笑える部分、ちょっとしたオチなども、
入れられる範囲で入れていきたいです。
マンガの内容にもよりますが、ずっと真面目な展開が続くよりも、
所々に笑える「抜きの部分」があった方が、最後まで読んでもらえる可能性も上がると思います。
この辺りのさじ加減は企業によっても変わりますので、
企業の特徴や社風、担当者の希望などを考慮して、バランス良くしていきたいです。
これらの過程を経て、シナリオとページ割が完成します。
専門知識が多い難しい商材やサービスのマンガ制作って大変そうね…
キャラクター案作成
続いてキャラクター案の制作ですね!
シナリオが完成したら、キャラクターの見た目を決めます。
シナリオ作成の段階でキャラクターの性別や年齢はほぼ決まっているので、
あとはシナリオに対して矛盾のないキャラクターを考えます。
見た目の特徴がシナリオに影響する場合もあるため、
指定がある場合はそれも組み込みます(メガネをかけている、太っている、等)。
規定の制服などがある場合は、事前に資料を用意してもらい、
できるだけ正確に制服を描きます。
企業側からの指定をクリアしたら、あとは自分の描きやすさを優先していいと思います。
マンガを描く作業はそれなりに負担がある仕事ですので、
少しでも早く、楽に、そして楽しく描くためにも、「描きやすさ」は意外と大切かと思います。
キャラクター案は、企業の希望を聞いてまずラフを制作しますが、
可能ならば複数案を出す方が望ましいです。
企業によっては着色したキャラ案を希望することもあります。
いくつかの案から選んでもらう方が、
最終的に満足いく出来になるかと思います。
キャラクターが複数いる場合は、外見の違いをわかりやすくすることを心がけます。
複数のキャラクター案を描いて貰えるとクライアントも決めやすいですね!
マンガラフ、下描き
いきなりペン入れ、着色に進むと痛い目を見ますよ!
必ずラフ、下描き状態でクライアントに確認しましょう!
キャラクター案が決定したら、マンガのラフ制作に取り掛かります。
シナリオはもう完成していますが、そこを更にコマで分割します。
1ページに入れるコマの数は3コマから多くて8コマ程度かと思いますので、読みやすいコマ数でシナリオ1ページ分の内容を割っていきます。
強く伝えたいことは大きいコマにしたり、次に繋がるコマをページの最後に配置したりして、わかりやすいマンガを作っていきます。
その際気をつけることは、
「文字ばかりのコマは出来るだけ減らす」
「文字が多いコマは背景に図表やイラストを入れる」
「顔だけマンガになってしまわないようにする」
この辺りです。
文字が多いと読む時に敬遠されてしまう可能性があるので、
ページ内で説明文を分散させたり、シナリオを調整して重複する説明は省くなどします。
それでも広告マンガはどうしても文字が多くなってしまいがちですので、
背景に頭身の低いキャラを入れてみたり、
パワーポイントのような視覚的にわかりやすい図表を
入れることで読みやすく出来ると思います。
また、通常のマンガでも気をつけるべきことですが、
顔だけマンガになってしまうと画面にメリハリが無くなり、
マンガの内容が頭に入りにくくなります。
説明文などが多くなるとどうしてもバストアップの構図に偏りがちですが、
キャラの等身を変えてみたり、
背景や図表をメインにすることで、
読みやすさは上がると思います。
文字と文字を矢印でつなぐような簡単な図表でも、印象はだいぶ変わります。
この時点では修正が入る場合も多いので、
企業側からの意見や希望を反映しながら、ラフを作ります。
ラフが完成してから改めて下描きをする場合もありますが、
ラフの時点である程度下描きになるように描くと、
時間の短縮になります。
難しい商品やサービスほどテキストが多くなりがちで読む気無くなりますよね…マンガの特徴を活かせていないなと思います。
マンガペン入れ、着色
ペン入れ、着色をしてマンガ完成です!
マンガのラフ、下描きが完成したら、ペン入れ、着色に移ります。
ペン入れ、着色の制作に関しては通常のマンガと変わりませんが、
広告マンガ、特にウェブ上のマンガの場合はフルカラーであることがほとんどなので、
それを踏まえた制作期間が必要です。
ペン入れ着色と共に、台詞のフォント等も調整します。
単語を大きくする、色を変える、フォントを変える、等することで、台詞にメリハリが出ます。
着色まで完了したら、最後に図表やイラストを入れます。
図表の色やフォントも、読みやすく目立つデザインになるようにします。
もし企業にイメージカラーなどがある場合は、
それを意識して配色してもいいと思います。
また、企業のロゴやアイコンなどを取り入れるのも有効かと思います。
ここまでで、ほぼマンガは完成です。
あとは企業のチェックを経て、修正、納品となります。
実際に制作をすると、想定外のリクエストや予定外の変更があることも多いので、
それらにすぐ対応できるだけの余裕を持っておくことが、
理想的な広告マンガの作り方かと思います。
広告マンガって奥が深い…クラウドソーシングで
直接マンガ家さんに依頼しても上手くいかなそうね。
オオタケイ先生!貴重な解説ありがとうございました!
お役に立てて良かったです!
でも先生のテクニックをここまで細かく解説したらマネする人が増えてしまうのでは…
た、たしかに、、あまり考えてなかったわ…
まぁでもマンガという情報伝達手段が少しでも広まれば
それで良いです!
さすが先生!
私たちマンガ家もマンガ制作に慣れているマンガ制作会社さんが仲介した方が
マンガの効果を最大限発揮できるようにディレクションしてくれるので
安心ではありますね!
そう言ってもらえると私たちも励みになります!
特にWebマーケティングを用いてマンガをどのように活用するかの
知識は乏しいので頼りになりますね!
マンガの活用から集客全般までお困りの方は↓からお気軽にお問い合わせください!